個展延期に関する詳細
今月開催月の4月に入りいよいよ本格化している、都心部を中心にした新型コロナによる大規模な自粛を考慮した結果、
会場様とも相談の上、4.17(金)-5.10(日)に予定しておりました智乃-chino-個展 『やどりなき』 は、
中止ではなく、延期とする 運びとなりました。
外出自粛要請が発令されている都心部でもなく、関東県でもない、発令指定地域から免れた
地元の群馬での開催ということもあり、ギリギリまで様子を見ながら、開催する気持ちでおりました。
大きな大きな見えない力に抗えるまでは、と思っていましたが、「もしも」と想像した時、
私にはもうあまりに恐ろしくて悲しくて辛くて辛くて、ほんの少しでも可能性を引き下げられるならと、
会場様とも相談の上で、無念ながら今回このような形を取るに至りました。
日頃から制作を支えてくれている家族からの、私自身への健康面の心配と合わせて、
周囲への配慮を切に希望する猛反対も、延期の理由の一つです。
正直悔しくてなりませんし、いっそのこと撤回したいくらい。
けれど、安心して会場をつくれたらと思うし、未熟を重々承知の上で、悩んで、つくったものは飾りたい。
そういう空間で、安心して足を運んで頂いた方には、見て感じてもらいたい。
限られた日数を通して、自分で満足して、自分の手で会場を壊して終えたい。
考えたくないことですが、もしも自分が「そう」なってしまった時。
開催せずに延期としたことを、後悔してしまうだろうか。
何度も何度も考えたのですが、個展名を名付けた時の気持ちを振り返った時、
ようやく「延期」を乗せた天秤のお皿が少し傾きました。
「もしも宿って欲しくないものに宿られてしまったら?」
私は、そんなつもりで今回の名前をつけたわけじゃない。
時間をかけて悩んで悩んで、大事にようやく見つけてきたのを、思い出しました。
見境もなく、未来への可能性も感じさせず、今のところ破滅しか感じさせてくれない。
どこからともなく人に断りもなく付いて回っては、命を脅かし不安まで煽るような、
そんな得体も知れない目にも見えない邪悪なモノの可能性を、
苦労してつくった空間に招き入れることはしたくない、と思ってしまいました。
私の作品や空間を見て、「好き」と言って下さったり、涙まで流して下さった優しい繊細な方の為にも。
泣いているのも苦しいのもせめて、できる限り、つくりものの中だけであって欲しい。
元々答えを出すということが本当に本当に得意ではなく、日頃から迷ってばかりいる質なのですが、
今回のことはなおのことどちらを選んでも苦しく、なかなか相談もお知らせもできずにいました。
ギリギリのお知らせになってしまい、非常に情けなく思っています。
応援して下さっていた皆様には、文面で申し訳ありませんが、深くお詫び申し上げます。
また、合わせて会場様はじめ関係する方々には開催目前の相談となってしまい、申し訳ございません。
なんとか対応策などを立てて開催できるようにと、考えて下さった方、心より感謝致します。
そして、私の制作の為に日頃からサポートしてくれている家族達。苦労を掛け続けてごめんなさい。
明確な延期の時期については、まだ未定 です。秋口にできたらいいなと望んでいますが、
現段階では、状況を見ながら。決まり次第また告知 できたらと思っています。
めでたく開催が再度確定した際にも、衛生面や健康面に気を配りながら、実行できたらなと考えています。
諸々恐縮かつ心苦しく思いますが、よろしければ引き続き暖かく見守って頂けると嬉しいです。
前代未聞、まるで悪い夢のような日常が現実に押し寄せてきていますね。
今までと生き方や考え方なども、変わる部分もあるのかななんて感じています。
1日でも早い事態の終息と、一人でも泣く人が少なくあって欲しいなと、切に切に願ってやみません。
切に切に願いながら、なるべく大人しく過ごしながら、
不安に押し潰されないよう楽しいこと心安らぐことを考えながら、
変わらず制作したり、時々ぼやいたりできたらなと思っています。
これを読んで下さった貴方が、少しでも泣かずにこの度の危機を乗り越えられますように。
思い浮かぶ人達とまた微笑って目の前でお話できますように。
好きなことや好きな場所が一つでも多く守られますように。
無事に乗り越えて、近い内に会場で貴方とお会いできますように。
2020.04.07 智乃-chino-